思考と行動は、ブレーキとアクセル

合気道の稽古を続けていると、
大きく分けて2つのタイプの人がいることに気が付きます。

ひとつ目のタイプは「思考タイプ」です。

どうすれば上手くいくかを考える事はもちろんですが、
小さな刺激を感じ取るとすぐに「思考」をはじめるタイプです。


ふたつ目は「行動タイプ」です。

とにかく動くことを優先させて、多くの時間を反復に費やすタイプです。


これは、どちらが良いというような問題ではありません。

それぞれをどのタイミングで使うのかが問題となります。


例えば、自動車の運転を思い浮かべてください。

一般道を走っていて、前方の信号が赤になれば減速して止まります。

目の前の信号が赤になるのを見ていたのに、
加速するようなことは基本的にはしないはずです。


高速道路では逆にアクセルを踏み込みます。

そして一般道ではあまり意識しない高速道路特有の
注意すべき部分に気を配ります。


つまり走る道が変われば、
アクセルとブレーキの使い方を変える必要があるのです。


 


先ほどそれぞれを使うタイミングが問題だと言いましたが、
これだけはやらない方がいいという事があります。

それは、アクセルとブレーキを同時に踏み込むことです。


自動車になる大きな目的は、はやく目的地に着くことですが、

その目的だけを考えた場合、
アクセルとブレーキを同時に踏み込むことは、

「進むこと」と「止まること」を同時に求めている行為になります。

そんな運転には意味がありません。


このアクセルとブレーキの関係は、
私たちの思考と行動の関係にとても似ています。

行動から求める結果を得ようとする時、
本当であればアクセルを踏み込まなければいけない場面にいます。

しかしその状況下で同時にブレーキを踏み込んでしまうのです!


合気道の稽古は連続した動きの結果として
相手を導くという状況を作り出すことが目的なのに、

動きの妨げとなる思考を同時にすることは、

「行動」と「思考」つまり、
「アクセル」と「ブレーキ」を

同時に踏み込んでいることになります。

そんな状況では、求める結果を得ることはできません。


この関係性とよく似たものが、
「プラス思考」と「マイナス思考」です。

合気道でもプラス思考を活用することを勧めていますが、
どのような状況下でもプラス思考になれと言うと
おかしなことになってしまいます。


そもそも武道は相手との関係性の中で、
攻撃されないような状況を作り出すことが目的です。

つまり、
相手から攻撃されるという最悪な状況を想定した上で
武道は考えられているのです。

「もし相手が急にナイフを出してきたら…」
「もし背後から襲われたら…」
「もし複数の相手に襲われたら…」

そなん最悪の「たら…」を想像し、
それを回避するための理論が武道となっています。

どんな時でも楽観的に「だいじょうぶだろう…」で行動していれば、
大丈夫でない状況になった時は即終了です!


ではどうすればいいのか…

それは「ネガティブシミュレーション・ポジティブシンキング」
を取り入れることです。

自分が不利になる状況を想定した上で、
どうすればその状況に陥らないで済むのかを考えることが
「ネガティブシミュレーション」です。


そして行動に移す時は、
不安や恐怖を生まないように思考します。

行動する時になってネガティブシンキングをしても
得なことは何ひとつ無いのですから、

良いイメージを持ちワクワクしながら行動する。

もしワクワクできないのであれば、何も考えないで行動を続ける。

これが「ポジティブシンキング」です。


「ネガティブシミュレーション・ポジティブシンキング」
それが合気道だと私は思います。

もしも「ポジティブシミュレーション・ネガティブシンキング」だったら
どうなるでしょう? 

もしも明日地震が来ることが分かっていて、
「大丈夫だろう」と楽観的に考え、何も備えをしなければどうなるでしょう? 


「備え無ければ憂いあり」そんな状態です。

もっとも合気道から遠くなってしまいます。


今回お伝えしたいことは、

「◯◯は良くて、××はダメ」というものは無く、
どのように物事を捉え、どのようなタイミングでそれ使うかによって、
生み出される現象が違ってくるという事実がそこにあるということです。

あなたが求める環境や状態があるなら、
それを生み出すための「物事の捉え方」と「タイミング」を
是非考えてみてください。


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